医院コラム

他院で「抜歯」と言われた歯も、残せるケースがあります。

「他の歯医者さんで抜歯するしかないと言われてインプラントをすすめられたのですが、できれば歯を残したいです。どうしても無理でしょうか…?」と、Nさん(50歳代女性)が来院されました。

上の前歯の歯ぐきが腫れたのでかかりつけ歯科医院に行ったところ、「歯の根が割れているので抜歯しかありません」と言われ、インプラントを勧められたそうです。当院へは、いわゆる「セカンドオピニオン」を求めてのご来院です。(当院はセカンドオピニオンも受け入れを行っておりますので、安心してご利用ください!)

Nさんのお口の中を診ますと、上の前歯の歯ぐきが腫れていました。マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)で精査すると、確かに歯の根に破折線があり、ひびが入っていました。しかし、歯ぐきの腫れの原因は、そのひびとは関係がない可能性が高かったので、Nさんにまずは基本的な根管治療(保険で可能)を提案しました。

他院で「抜歯」と言われた歯も、残せるケースがあります。さて、根管治療を行うと次第に歯ぐきの腫れがひいていき、治癒の方向に進みました。歯の根に入っていたひび(破折線)は、やはり歯ぐきの腫れとは関係のないものでした。歯の根が割れていると、直ちに抜歯!と歯医者さんに言われることが多いようですが、中には今回のように、歯を残せることもあるのです。経験による思い込みに走らず、色々な可能性を考え、正確な診断と治療を行うことが重要だと再確認しました。

なお、この患者さんのNさんは、少しでも歯が長持ちするようにとメタルフリーの治療を希望されたので、歯への負担が少ないグラスファイバー製の土台(ファイバーコア)を入れ、オールセラミック冠を被せました。治療後、Nさんは「抜歯せず、歯を生かすことができて本当に良かったです。ありがとうございました!」と、とても喜んでくださいました。

「歯が良くなることで患者さんがお口に自信をもって下さり、もっと健康で、もっと楽しく積極的に人生を送れるお手伝いをすること」が私の使命です。
あなたにとって最良な治療法がきっと見つかります。どうぞお気軽にご相談ください。

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